向こう側のイメージ
 

 

「みんなはよくお花畑だって言うけど、僕は何にもない運動場みたいな所だったんだよね。」
そのおじさんはそう言いました。

 

ある場所で偶然お会いした、杖をついたおじさん。
なんでも、くも膜下出血で倒れ、脳の大半がダメージを受けながらも
奇跡的に一命を取り留めたそうです。

 

その時に見た、あの世の手前のいわゆる三途の川を渡る手間の情景。
それが、運動場みたいだったらしいのです。

 

そこをどこかに向かって歩いていたら、
「おーい。戻って来い!」
と誰かに呼びとめられたそうです。
僕は向こうに行きたいのに、なんで呼びとめるんだろう…
そう思いながらまた歩いて行こうとしたら
また
「○○さん!戻ってきて!」
また、声が何度も聞こえたそうです。
あんまりしつこく呼ばれるので、戻ること…。

 

…そして、

 

気がついたらICUのベッドの上だったそうです。

 

私は、あの世(の手前)を見たという方に初めてお会いしました。
そんな、貴重な体験のお話が聞けたというのは
なにか意味があるような気がしました。

 

おじさんに、倒れる以前の記憶はあるのか訊ねてみたら
好きだった人のこととか、楽しかったことは思い出せないけど、
憎いしみや、悔しかったこと、辛かったは覚えているそうです。

 

なんか、普通に生活していても同じような気がします。
楽しかった記憶は、いつしか薄らいでいくのに
辛い記憶はなぜかなかなか忘れられない。
いわゆる、トラウマってやつですね。

 

おじさんは、ゆっくりではありましたが杖をつきながら
ご自身の足でしっかり歩かれていました。
なんだか…どこか神々しい感じ…。
仙人?いやどっちかというとひっそり鎮座してるお地蔵さんみたいな感じかなぁ。
そう、こんな感じ↓

お地蔵さん

 

※TOPに使用した画像はPhoto:Digipotさんよりお借りしました。